
ドイツ人アーティスト、オラフ・ホルツアプフェルさんの作品に参加しています。日独の職人・アーティストが協働した本作品の中で、私は、童話『漁師とそのおかみさん』を1人語りしています。

先日、展示作品を現地で見てきましたが、鑑賞時間は40分間。音は私の声のみ。(私自身が驚いた!)本作品は、日独の象徴的・記号的なイメージが何重にも折り重なって編み上げられているからこそ、原作になった童話の世界を観客の皆さんに丁寧に届けたいというオラフのお考えだったのかしらとも感じました。出会いに感謝。オラフと出会わせてくれたゲーテ・インスティトゥートヴィラ鴨川のスタッフの皆さんにもこの場を借りて感謝申し上げます。こうやって新たな出会いと交流の連鎖が一つの作品として形になっていることが本作品の素晴らしいところの一つだなとも感じます。
昔、漁師さんとその家族が住んでいたであろう古民家に
畳の上に座ったり、寝そべったりして
木造建築の質感や空気を感じて、見て、聞いてくださいね。
瀬戸内海のど真ん中に位置する伊吹島(いぶきじま)へぜひ。

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展覧会 | 瀬戸内国際芸術祭2025 https://setouchi-artfest.jp
『野生の獲物』オラフ・ホルツアプフェル
会期:2025年10月3日 (金)–2025年11月9日 (日) 9:00-16:30
会場:伊吹島
鑑賞時間:40分程度
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本プロジェクトについては以下、ゲーテ・インスティトゥート ヴィラ鴨川のHPより抜粋
2024年9月~12月にヴィラ鴨川に滞在したレジデント、オラフ・ホルツアプフェル(Olaf Holzapfel)が、瀬戸内国際芸術祭2025・秋会期(10月3日~11月9日)に登場します。
伊吹島は、人間の居住と自然との共存関係を示す印象的な場所です。この小さな島には、かつて4,000人もの人々が漁業を生業として暮らしていました。彼らの生活は、自然、生き物、そして周囲の環境と直接結びついていました。こうした生命体同士の関係は、常に相互理解に依存しており、ロマン派の詩人フィリップ・オットー・ルンゲの童話『漁師とおかみさん』(原題:Vom Fischer und seiner Frau)にも登場します。ホルツアプフェルは、かつて多くの子供たちが暮らしていた古民家を舞台に、日本とドイツの両国で長年にわたり伝え守られてきた染色と藁編み、大工仕事の伝統技術を使ってこの物語を紹介します。
ホルツアプフェルとモーリッツ・シュトゥムがこの童話を基に制作したアニメーション映像の中で、物語を読み上げるのは、日本の俳優、髙安美帆です。このインスタレーションは、物語と同じく、人間と自然との関係、自然の循環、人間の欲望がもたらす課題、そして物質的存在の限界について取り上げています。そして、それらの限界こそが、インスタレーションの会場である古民家や、人々にとっての島のように「故郷」という場所であることを示唆しています。
ホルツアプフェルは、伊吹島の漁師やその他の職人たちにも馴染みのあるテーマ、すなわち「私たちの身体と自然との関係とバランス」を取りあげます。オラフ・ホルツアプフェルは、かつて映画劇や光の遊び(Lichtspiel)と呼ばれた、彫刻や絵芝居のようなインスタレーションのアイデアを考案しました。インスタレーションが会場の古民家と伊吹島の歴史と相まって、統一されたひとつの空間をつくり出します。
オラフ・ホルツアプフェルの作品は、日本の下記の職人の協力により、実現しました。
しめ縄製作: 上嶋産業(京都・和束)
木造構造物製作: 杣耕社(岡山)
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