「べにの会」実に半年ぶり。3月に予定されていた最終回、延期していた公演が無事に幕を閉じました。ご来場ありがとうございました。またご尽力くださった皆様ありがとうございました。生のライブ・舞台でしか体感し得ない皮膚感覚がありますね。とても心地よい時間でした。カーテンコールでお客様の顔を見たら、当たり前だと思っていた風景が当たり前じゃなくなった半年間が想い出され、また、次にお会いできるのはいつになるのか、感染症の状況によっては今後の公演予定も危ういのだと咄嗟に感じて、グッとこみ上げるものがありました。まだまだ気が抜けない日々が続きますが、まずは、この日を迎えられた事、皆様に感謝したいと思います。ありがとうございました。
振り返ると、べにの会の常磐津浄瑠璃の太夫さん、三味線弾きの方と、共に過ごし、対話を重ねた時間と経験は、私の心と身体に染み込んで、気がつくと、あらら、五線譜の西洋音楽より邦楽の方が心地よい、身体に馴染むわなんて感じました。伸縮自在な間合いの心地よさ、即興的なセッションに和楽器はとてもなじむのではないでしょうか。これからもっといろんな音を吸収していきたいと思います。
今回は劇作家 西史夏さんに新作「山姥」を書き下ろして頂きましたが、古典芸能の山姥もの、常磐津では山巡りの名場面を抜き出して上演されることが多く、通し狂言自体が少ないので、これが「山姥」の物語かと楽しむ方もいたかもしれません。実は現代劇の作家が書いたオリジナルなのです。また、既にご存知の方にはその違いを楽しんで頂けたなら幸いです。いつの時代も芸能は変化し続ける。だから面白い。
超ポジティブ思考の私でさえ、ときどき心が縮こまってしまう程のコロナ苦境ですが、笑って、歩み続けていきたい。なんとか乗り切っていきましょう。心持ちで大きく変わるよね。
