2025/7/24-11/17世界演劇講座ⅩⅩ 新アングラ考 ―前衛と大衆―

開講20年目を迎える「世界演劇講座」

講師は西堂行人(演劇評論家)笠井友仁(演出家)

今年度から扇町ミュージアムキューブ(大阪・扇町)で開催します。事務局として、私も会場におります。お気軽にどうぞ。

2006年に近畿大学国際人文科学研究所主催で始まり、同研究所閉鎖に伴い14年から同講座はAI・HALL(兵庫県伊丹市)と共催で開催してきました。実のところ、研究所が閉鎖され、講座も廃止の危機ということで事務局を担当することになったものの、「どうしたらいいんだろ」と悩んでいたあの頃。快く受け入れて下さったのはアイホールのスタッフさんでした。そこで出会った人、過ごした時間は大きかった。感謝の気持ちを胸に、新たな一歩です。もしお時間あったら、遊びにいらしてください。

以下詳細 sekaiengeki.wordpress.com

世界演劇講座ⅩⅩ(2025)新アングラ考 ―前衛と大衆―

次代を担う演劇人育成のために立ち上げ、今年で開講20年目を迎える世界演劇講座。

毎回、前半は問題提起のレクチャー、後半は映像を参照しながら、受講生とのディスカッションを中心に行います。あなたの観劇体験や作品制作に生かしてみませんか。

日時:7/14、8/18、9/8、10/6、11/17  月曜日、 19時〜20時45分

会場:扇町ミュージアムキューブ CUBE05(〒530-0052 大阪府大阪市北区南扇町6-26)

講師:西堂行人(演劇評論家)、笠井友仁(演出家)

定員:25名程度(申込順)

対象者:年齢や演劇経験は問いません。

受講料:全5回一括 5,000円、1回1,500円 ※1回ずつの受講もできます 

お申込先:https://forms.gle/Jm2DwnUSYzVjtfNa7

お問い合わせ:メール/ sekaiengeki@gmail.com (事務局/髙安)

電話/ 06-6766-4166 (扇町ミュージアムキューブ)

主催:世界演劇講座

共催:扇町ミュージアムキューブ

「アングラ」もしくは「アングラ演劇」とはいったい何を指すのだろうか。

それは実態についての言葉なのか、あるいはかつての演劇形態についての言葉なのか。これがあいまいなまま使用されていることに、わたしはかねてから疑念を抱いてきた。「アングラ」を自称する者も、自分の体験にもとずくイメージなのか、理論についての考察なのかが共有されず、言葉が空回りしている。そこで、これまで語られてきた「アングラ(演劇)」について再考し、その演劇の全貌を明らかにしたい。今年度は唐十郎、鈴木忠志、佐藤信、蜷川幸雄をとり上げる。アングラの歴史はすでに半世紀以上にも達し、現代演劇をつくる「通底路」として確固たる基盤を形成した。だがしかし、その分風化も余儀なくされてきた。3年前、同講座で、「アングラ」というキーワードを検証し、あわせて現代演劇の中に位置づけた。さらに今回は、その思考をさらに発展させ、個別の劇作家・演出家を通して、その全体像を明らかにしていく。

■定期講座日程

【第 1 回】2025/7/14(月) アングラ演劇の新思考

1967年、アングラ演劇という言葉が誕生した。その背景には戦後になって興隆した新しい価値と近代の否定があった。無名の若者たちは自前の表現を武器に自己を主張し、従来の枠組みでは捉えきれない多様性があった。それは「アングラ」と名付けられた。

【第 2 回】8/18(月) 唐十郎

1967年新宿花園神社に建てられた紅テントは、その後唐十郎演劇の代名詞となった。状況劇場―唐組を通じて、テント芝居という形態は日本の中でまったく独自の上演と演劇論を生み出してきた。ここにアングラ演劇の原点がある。

【第 3 回】9/8(月) 鈴木忠志

言葉と肉体を切り離しがたいものとして捉える鈴木忠志の演技論は、アングラ演劇の骨子に当たる。戯曲中心主義とは異なる、新しい演劇の思考は、テクストの改編や上演のあり方に革命的な理論的転回をもたらした。

【第 4 回】10/6(月) 佐藤信

演劇センター68/71を結成した佐藤信と黒テントの活動は、演劇によって社会の転覆をはかる運動論を切り開いてきた。それは新劇とはまったく異なるアングラによる演劇革命の構想と展開だった。

【第 5 回】11/17(月) 蜷川幸雄

新劇の養成所から出発した蜷川幸雄は、その後現代人劇場、劇結社桜社を通じて、小劇場運動の隊列に加わった。集団と身体の拮抗をめざした劇団活動を経て、独立した演出家となった蜷川は、それでも演劇の原点たる小劇場の実験精神を持ち続けた。

■テキスト資料:西堂行人著『新版 日本のアングラ』論創社(2025年6月刊行予定 予価2800円)

■【番外編】「カフェ・セカイエンゲキ」

店主:山口良太(slowcamp)

日時:2025/6/9 (月) 19:30-21:30

料金:予約不要・参加無料(1ドリンク制)

場所:扇町ミュージアムキューブ 談話室マチソワ

*「カフェ・セカイエンゲキ」は、2025年7月から扇町ミュージアムキューブ CUBE05で開講される「世界演劇講座」の関連企画です。